青色申告とは?


青色申告とは?

個人事業主は、20万円を超える事業収入もしくは報酬がある場合、確定申告書を提出しなければなりません。

その申告には「青色申告」と「白色申告」の2種類があります。

青色申告をすることによって、所得の計算をするにあたって有利な取り扱い(特典)を受けることができます。

青色申告ができる条件

所得税法上「所得」は10種類に分類されています。

青色申告ができる人は、10種類の所得のうち「不動産所得」「事業所得」「山林所得」のある人です。

・不動産所得…マンションや貸家、貸地など不動産の貸付けによる収入

・事業所得…農業、漁業、小売業、サービス業などの事業による収入

・山林所得…山林を伐採したり、立木のままで譲渡することによる収入

勤務先から受け取る給与や退職金、株の譲渡による収入は、上記のいずれの所得にも該当しませんので青色申告はできませんが、副業などで上記3つのうちいずれかの所得があれば、青色申告を受けることができます。

 

青色申告と白色申告の違い

白色申告 青色申告
青色申告承認申請書の提出 ×
開業届の提出 ×
特別控除 × 10万円 65万円
記帳方法 単式簿記(簡易な簿記) 単式簿記(簡易な簿記) 複式簿記(正規の簿記の原則)
決算書作成 収支内訳書 青色申告決算書(損益計算書など) 青色申告決算書(損益計算書・貸借対照表など)

青色申告の65万円控除を受けるには、複式簿記での記帳が必須となり専門的な簿記の知識が必要です。

一方、白色申告や青色申告の10万円控除を受ける場合、単式簿記(簡易な簿記)では家計簿のような付け方で十分です。

 

青色申告で受けられる特典

青色申告特別控除

不動産所得または事業所得のある青色申告者で、正規の簿記の原則(複式簿記)により記帳し、一定の書類を確定申告書に添付する場合には、課税所得から最高65万円を控除することができます。

青色事業専従者給与

同一生計の配偶者や15歳以上の親族に支払った給与を経費に計上することができます。

貸倒引当金

事業所得がある青色申告者は、その事業にかかる売掛金、貸付金などの貸倒れによる損失の見込み額として、年末の売掛債権・金銭債権の額の5.5%(金融業の場合は3.3%)以下の金額を、貸倒引当金繰入として経費に計上することができます。

赤字の繰越しと繰戻し

損失(赤字)が出た場合、その損失額を翌年以後3年間にわたって繰り越し、各年の所得金額から控除することができます。

また、前年も青色申告をしている場合は、損失が出た年の前年に繰り戻して、前年分の所得税の還付を受けることができます。

 

青色申告を受けるには?

事前に「所得税の青色申告承認申請書」を提出する必要があります。

この申請書は毎年提出する必要はなく、一度承認を受ければ翌年以降も青色申告となります。

 

青色申告の承認が取り消されるケースと注意点

2年連続して期限内に申告書を提出しなかった場合は、青色申告書の承認が取り消されますので、必ず期限内に申告しましょう。

 

青色申告のまとめ

以上のように、青色申告は提出する書類が増え手間もかかりますが、税制上有利な特典(控除)を受けられ節税となりますので、青色申告をおすすめします。

 
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